NGCとPCGSのグレードやラベルの違いと意味

NGC社PCGS社は、世界的に有名なアメリカの大手コイン鑑定会社であり、コイン市場では両社の鑑定済みコインが広く取引されています。特にアメリカではANACS社も流通していますが、NGCとPCGSの鑑定コインが主流です。

これらの鑑定会社では、年会費を支払えば誰でも会員になり、グレーディングサービスの申し込みが可能です。提出されたコインは各社の基準に基づいて評価され、カプセル化されて本物であることが保証されます。


NGC(Numismatic Guaranty Company)

NGCは、シェルドンスケール(1〜70段階のグレーディング)を採用しており、70が最高評価です。このスケールは、1948年にウィリアム・シェルドン博士によって開発されました。

表記例

PF70 ULTRA CAMEO

PF66 CAMEO

MS66

MS63+

MS63★

MS61 PL

ストライクタイプ(分類)

MS(Mint State): 流通用に製造されたが未使用のコイン

PF(Proof): 光沢のあるコレクション用のコイン

SP(Specimen): MSとPFの中間的な品質のコイン

グレード(状態評価)

70: 欠陥のない完璧な状態

69: ほぼ完璧で微細な欠点がある

プラス(+)とスター(★)

+(プラス): ワングレード上の品質に近いコイン

★(スター): 特に魅力的なデザインや輝きがあるコイン

ストライク文字(特徴)

RD(Red): 赤色の光沢がある

RB(Red Brown): 赤と茶色の中間

BN(Brown): 茶色の緑青が目立つ

ULTRA CAMEO/CAMEO: PFコインのみに適用される光沢の強いコイン

PL/DPL: プルーフライク、ディーププルーフライク(MSコイン専用)

リリース指定

Early Releases/First Releases: 発売から30日以内にNGCに届いたコイン

First Day of Issue: 発売日当日に購入し、1週間以内にNGCへ提出されたコイン

ホルダー(スラブケース)の種類

スペシャル ラベルのデザイン


PCGS(Professional Coin Grading Service)

PCGSもNGCと同様にシェルドンスケールを採用し、グレーディング方式や表記も似ています。

グレーディング基準

表記例

PR70 DCAM

PR66 CAM

MS63

MS61 PL

ストライクタイプ

MS(Mint State): 流通用だが未使用

PR(Proof): コレクション用の光沢のあるコイン

SP(Specimen): MSとPFの中間品質

ストライク文字

RD/RB/BN: 色合いの区別

DCAM/CAM: 深い光沢(PFコイン専用)

DMPL/PL: プルーフライク(MSコイン専用)

特別ラベル

First Strike: 発売から30日以内にPCGSへ提出されたコイン

上記が主な特別ラベルです。全てのラベルはこちらで確認できます。


グレーディングの申込手順

会員登録後、申込書とコインを鑑定会社へ提出

マイアカウントで進捗確認

グレーディング開始

終了後、費用の請求が届くので支払い

返送先情報を入力し、コインが返送される

※日本にはNGC・PCGSのオフィスがないため、代行業者の利用や自分で輸出手続きを行う必要があります。海外提出の場合、4〜6ヶ月、PCGSは12〜16ヶ月の期間がかかります。

税関手続き
再輸入免税の手続きを事前に行わないと、輸入消費税(10%)が発生します。


トップグレード獲得の確率

国内提出: 金貨30%、銀貨10%

海外提出: 金貨75%、銀貨40%

新品コインは海外提出の方がトップグレード獲得の確率が高く、期間も短縮されます。

10%輸入消費税